情報マーケット  >  街達  >  櫨 信夫さん

街達



「ミラノ食堂」 誕生の起源。

「根拠はなかったんだけど、なんとなく予感してました。自分はきっと、将来食の道に進むであろうことを、ずっと昔からね。」
宇都宮市にある「ミラノ食堂」は、味・ボリューム・手ごろな価格設定で大人気のイタリアンレストラン。代表取締役の櫨さんは、現在スタッフを教育しながら、ミラノ食堂を営業している。料理だけでなく、心のこもった接客応対も人気の秘訣だ。オープン以来、ランチ・ディナータイムにはいつも満席状態でにぎわっている。
こうして愛されるミラノ食堂が誕生した起源には、幼い頃からの家庭環境があったという。「両親ともに飲食店を経営していたから、日常的に料理職人が自分の周りに居たんです。ものごころついた頃には、既に「食」はあまりにも身近なものでした。」 ある日、親戚のおばさんが櫨さん宅を訪れる。そこで櫨さんは、緑茶を淹れた後に冷蔵庫でつめたく冷やして出すことを思いついたのだ。今でこそ冷たい緑茶に不思議はないが、当時は緑茶はお湯で淹れるもの、という考えが当たり前だった。おばさんは、冷たい緑茶を美味しく飲み干した後、いつもより多くお小遣いをくれた。自分が考えた工夫で、人を喜ばせることが出来た。満足してくれた。櫨さんは、幼くして「人に喜ばれるには」というサービスの根源を知ったのだ。そしてこの頃から、なんとなく自分が将来食の道を歩むことを感じていた。
この当時、まだ幼稚園生。そしてそのサービス精神は、今日の「ミラノ食堂」にもしっかり息づいている。

宇都宮に「ミラノ食堂」あり。

5・6年ほど前、競輪場通り沿いに「ミラノ食堂」の1号店・戸祭店がオープンした当時、イタリア料理は敷居の高いものという風潮が今よりも強かった。
「味が美味しいことはもちろんですが、ハードルを全部取り払い、イタリア料理を大勢で手軽に、それこそ厨房もお客様の姿も一望出来て、オーダーをとる声やみんなでワイワイ楽しんでいる声も聞こえあうような...そんな大衆的なお店が理想です。」
行列をつくるその店は開店するやいなや満席で、常に人が入れ替わり立ち代り。その盛況ぶりは、「ミラノ食堂」の名を宇都宮に知らしめるには充分すぎるほど鮮烈なデビューであった。2号店として下栗店をオープンさせてからも、その人気ぶりは健在だ。ブログに取り上げられることも多くなり、「ミラノ食堂」は宇都宮においてイタリアンレストランを代表するまでにその名を知らしめた。 「【イタリアンを食べに行きたい】ではなく【ミラノ食堂に食べに行きたい】、そう思ってもらえるお店でありたい。美味しいものを食べにいこうって決めた瞬間から始まるどきどき・ワクワク感ってすごく楽しくって、お店にいくまでの道のりだって前菜になるでしょう。イタリア料理、という技術を使って、多くの人に笑顔になってもらったり元気になってもらいたいですね。」
その理想を現実のものとし、数多くのファンを獲得した櫨さんは、間違いなく宇都宮市を活性化させ盛り上げた一人であろう。

地産地消の取り組み。

「ミラノ食堂」では、地元の食材にこだわっていることでも知られている。戸祭店においては、「とちぎ地産地消推進店」にも認定された。栃木県で生産された農作物をふんだんに使い、地産地消の推進に取り組んでいる店舗が称される。味が良くても、形が悪いがために商用として規格外になってしまう野菜なども捨てずに調理に取り入れているそうで、地産地消のきっかけについてお伺いしたところ意外な答えが返ってきた。
「まず、小さい頃からずっと慣れ親しんできた【母親の味】が一番ということがルーツです。それはつまり、生まれ育った故郷の味でもあるんです。地元の味にこだわっているのは、母の味・地元の味を愛する、ということが始まりですね。」
また、食を通しての新たなチャレンジ精神も忘れない。「たとえば、ミラノ食堂が規格外のトマトを使うことによって、ただエコになればいいってわけじゃない。栃木のトマト業界に貢献でき、共に成長していけたら、と思います。自己満足ではなくて、そういった外からのニーズに応えていったとき、本当にステップアップ出来ると思います。」

夢は、日本一!

櫨さんに、これからの展望についてお伺いした。 「夢は、もちろん日本一です。ナンバーワンであり、オンリーワンであり続けること!店舗の数が日本一とかそういうことではなくて、地元・宇都宮市と共に成長していけること。そしてお客様にとっても、ミラノ食堂はミラノ食堂であり続けたい。だから、どういう顔で食事をされているか見届ける義務があるし、どういう評価を頂いているのか確認をしないと、良い仕事は出来ない。トータルして地元貢献度日本一・それが、「ミラノ食堂」が目指す日本一のビジョンです。」
美味しいもので楽しんでもらいたい、笑顔になってもらいたい、という精神はいつまでも変わらず、前向きな将来を見据える櫨さんのまなざしは、一途でとてもまっすぐだった。

2010.7.13  取材=松本芳宣  文=大塚恵美

Profile

櫨 信夫さんイタリア料理を栃木に近づけた仕掛け人
宇都宮短大 調理科卒
ステーキハウスみはしでフランス料理長を務める。
単身イタリアへ修行を積む。
ミラノ食堂 戸祭店・下栗店経営

イタリアの家庭の味をお届け致します。
http://www.miranoshokudou.com/

ミラノ食堂さんへの連絡はこちらから。 戸祭店/Tel.028-627-6066
下栗店/Tel.028-634-6151