東武宇都宮百貨店の正面に位置するビルの中にある、「宝石市場」さん。社長の高野さんのご実家は元々、時計の卸商をやっていたおじい様から3代続く、根っからの商売人の家系。学生の頃から、いつかこの家業を継ごうと思っていたそうです。
「この業界のスタートは、東京のとある貴金属製造会社からでした。全国を飛び回って訪問販売をする仕事や、ルート営業などを行いました。」
高野さんがその宝石会社に入社した頃は、ちょうとバブルの真っ只中。今とは全く様相を異にする時代。
「バブルの超好景気を経験しているので、その頃から比べると宝石そのものの価値観も全く違いますね。商品もそうですが、買い物の仕方もです。」
「バブル期の宝石は、いわゆる財産とイコールでした。使用目的というよりは奥にしまいこんで、ずっと持っておく買い方が多かったです。石自体も『大きければいい』という考え方でしたね。」
時代が変わって、現在のニーズはハイレベルなファッション性へと移行。
「ファストファッションが台頭してきたように、安くても高品質、そんな商品が当たり前になってきました。本来であればある程度値段が付くものであっても、安く手に入れて、気軽に手頃に日常で楽しまれる方が増えたように思います。」
全国各地で、また東京都内でも販売経験のある高野さん。栃木の地域性についても伺いました。
「中心地の宇都宮に関して言えば、地域性を重視したお店が多いと思います。ただ、選択肢の幅があるかどうかでいうと、やはり東京などには叶いません。そこが一番のネックと言えるでしょう。売れ筋商品の情報は全国に一斉に流れてくるわけで、『栃木には合わない』と結論づけてしまうのは経営者側の都合なんですね。そういった意味ではお客様に失礼の無いように、たくさんの選択肢の中から最新の商品がいつも選べる、そんな流通になるのが理想だと感じています。」
会社名である25KARATには、高野さんの熱い思いが込められています。
金の最高レベルの純度を表す数値が24K。そこにプラス1を加えて、25KARAT。そのプラス1の中には、他にはないサービスだったり、笑顔、ジュエリーに対する熱い気持ちなど、付加価値をプラスできる会社でありたいという意味が込められているそうです。
「例えば日頃ジュエリーを身に付けない方でも、まず手に取って、美しさだとか非日常性だとかを感じ取ってもらいたいんです。」
最新の売れ筋情報や流行にも常に敏感であることが命。商品の流れを常に押さえるために、情報交換を密に行ったり日々努力している高野さん。
「そういったプロセスを細かく重ねながら、私が一番目指していることといえば、会社を大きくするとか、スタッフを増やすとかいうことではなくて、常にお客様のために愛されるお店作りをすること。その純粋な思いだけはいつも持ち続けていたいです。」
「今日はいつもと違うね、とか、きれいだね、とかちょっとしたことでいいんです。そんな日常づかいのジュエリーが人に輝きを与える。私はその素敵な時間を作るお手伝いをさせていただければ...と思うんです。経営理念とか、利益も大事ですが、今の私にあるのはまずその気持ちです。」
高野さんの提唱する「理屈抜きで、まず楽しめるジュエリー」とは、日々感謝の気持ちを忘れず、お客様を第一に思うハートから生まれた結晶なのかもしれない。宝石という物販に関して、今できることは何か。その答えはいつも、24KARATにプラスされる、1KARATの中にある。
高野幸雄さん
2009.11.20 聞き手=松本芳宣 文=松島佐和子
高野幸雄さん日常づかいのジュエリー推奨者
昭和40年9月16日生まれ。宇都宮商業高等学校卒業後、19歳で(株)ロイクリエーション(貴金属製造会社)に入社。実家の家業である(株)高野商店に入社したのは26歳の時。17年後、自らが社長として独立、25KARAT(株)を設立し現在に至る。
25KARAT株式会社/宝石市場
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tel.028-610-7733